物騒だとか危険だと言われるナポリ。 だけどそれはごく一部の地域だけで、チェントロ(中心地)はそんなことはありません。 むしろ、数年前に行われたサミットを機に、ナポリの街は安全に生まれ変わっているといっても過言ではないのです。(変わったのではなく、変わっているのね。あくまでも現在進行形) 相変わらず道路はこ交通渋滞が激しいのですが、週末のチェントロ、Via Toredo(トレド通り)は交通規制がひかれて、歩行者天国となります。ここはナポリのメインストリート、日本人の大好きなおなじみブランド店はないにしても、イタリアのドメスティックブランドの洋服、バッグ、紳士服店などが軒を連ねるおしゃれな通りです。イタリアのモードが感じられ、ウィンドウショッピングをしているだけでも楽しい気分に浸れる場所です。 ちなみにマリーサのお家はこの通りを一本入ったところ。つまりナポリの一等地にお住いなのですわ。 平日の夕方でも、人々が連れ立って繰り出してくるのですが、なんといっても賑やかなのは土曜の夕方。夜の帳が下りはじめるちょっと前の時間、私もここをそぞろ歩きするのが大好きなのです。 「今日はなにかお祭りでもあるのかね?」と思うくらい、家族連れやカップルが通りを歩いているのです。もちろん、お祭りなんかはないんですが、週末、こうやって街を散歩するのが家族にとっての憩いの時間なのでしょうね。 そんな幸せいっぱいの週末には、いろんな風景を目にします。 大道芸人を不思議そうに眺める子 動かない系の大道芸人はここの通りに毎日いますが、週末になるとグンと数が増えます。 チップを箱にチャリンと入れてやると、ぎこちなく動いてビラやTOTOの申し込み用紙などを手渡してくれます(あんまりいらないけど)。 しかし、ナポリの大道芸人はイマイチで、ローマ・スペイン階段あたりにいるのなんかは、瞬きもせず、ほんとの銅像かと思ってしまうくらいカンペキです。 ウンベルト1世のガレリア入口 ナポリのアーケード前です。規模はミラノのそれに負けますが、美しさは引けを取りません。 中国顔負けのニセキャラクターの風船売りやお土産のキーホルダー売りが入口を陣取っています。 綿あめやさん イタリアでも綿あめってあるんですよ。 私は食べたことないのですが、けっこういい年の人なんかも買って食べています。 賑やかな人どおりのあるところで綿あめ屋なんかがいると縁日の気分です。 マリーサの家から人の流れに身を任せてゆっくり歩いて行くと、終点はプレビシート広場に出ます。急に開けて、さっきまでは人がいっぱいだったのに急にシンとした雰囲気になります。 イベントがあったのでしょうか、電飾が巻かれてハデハデ教会。 この広場はなんと10年ほど前までは、市民の駐車場として車がびっちり止まっていたというのだから驚き。 それにしても、右脇に映っているオッサン。どうしてもフレームに入ってしまう。陰にいる彼女と別れ話でもめていました。家でやれ!! 教会の向かいは旧王宮があります。 かつての為政者たちの居城の前では、夕刻、地元っ子たちが、サッカーに興じていることが多いです。マンマがその間にオイシイごはんを準備してくれているのかな。 日本のような公園や運動場のようなスポーツをするために確保されたスペースというのはイタリアには少ないので、子どもたちはちょっとしたスペースやこういった広場でサッカーをするわけです。イタリア人は自慢げに「イタリアがサッカーの国なのは、子どものころからこういうところでプレイしているからうまくなれるのさ」とこういいます。 プレビシート広場を過ぎると、歌にもあるサンタ・ルチア地区。海岸沿いにでるのですが、ここから先は夜になると人どおりがめっきり減って一人歩きするにはちょっと怖いので引き返しましょう。海の眺めは昼間のお楽しみに。 ひきかえしてすぐ、プレビシート広場の隣には超老舗・高級カフェのガンブリヌスがあります。 立ち飲みなら、他のカフェやバールとエスプレッソの料金は一緒なので、ここで1,2杯は引っかけたこともありますが、いつかはテラスでこんな風景をみながらゆっくりカフェとナポリ菓子を味わってみたいものです。 なにせ、実は小心者なので、いったい座ったらいくらとられるのかわからないので嫌だし(と言っても立ち飲みの3~4倍くらいだと思うので払えない額ではないのですが)、どうせ席に着くなら、話相手の一人もいないと格好もつかないのでね。いつかえなりくんや仲良しのお友達とナポリに来た時の楽しみに取っておきたいと思います。 こんなそぞろ歩きをすると小腹が減ってきます。 そんなときには、トレド通りにある「ピンタウロス」へ。 ナポリ銘菓のスフォリアテッラを一番最初に商品化した歴史をもつ、由緒正しいお店です。 小心者の私にも安心価格。他にも、量り売りでナポリのコテコテの伝統菓子が年中手に入ります。 私のおともはこちら。 ナポリのタラッリ。 アーモンドと黒コショウがたっぷり、ラードで練った生地がサクッと香ばしい乾パンです。 プーリアのオリーブオイルの味がこっくりしみたそれとはまた一線を画しています。 そんなこんなの所要小一時間のお散歩。 ナポリっ子ではない私にとっても心穏やかになれる美しい週末です。
by buonaforchetta
| 2008-03-08 14:56
| 2008年イタリア滞在記
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福島県郡山市でイタリア料理教室を開いております。また、イタリア・ナポリでのホームステイ・料理教室の紹介を行っております。
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