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イタリア料理留学記11 マリーサ!!!!



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今回のナポリ滞在はたったの5日間。
マリーサには、再会してひとしきり落ち着くと、「なんだってこんなに短い滞在なのよ!」
となじられる始末。
私に教えるための料理のリストが、小さい紙にびっしり、100個近く書いてあるのをマリーサに見せられた。何日か前から、あれも教えよう、これも教えようと思いつく限りの料理を紙に書き留めていてくれたらしい。
そんな気持ちが本当にうれしく感じられ、また、それが申し訳なくもあり、今回の短い滞在をわびるとともに、なんだってそんなスケジュールを組んだのだろうと、自分をうらめしくも思った。
 「たった5回じゃ、何も教えらんないじゃないのよお!」と30秒置きになじられながら、マリーサが作ってくれたリストから教えてもらいたい料理を二人で決めた。
「なんたって、私が結婚式の立会いしたんだから、あんたは私の娘同然よ!だから、いっぱい料理おしえてあげるから!」
と、私が驚くくらいいっぱいのメニューを1回のレッスンに盛り込むマリーサ。
うれしいけど、多分、マリーサが途中で疲れて「明日やろう」となるのはわかっているのでそんなに張り切らなくていいからーーー、と止めに入る私。
私の娘、と言ってくれた今回のマリーサのレッスンは、すごく豪華。
ほんとに娘扱いです。
娘というのは、他人にしてくれないことをしてもらえるのだけれど、反対に、他人がしなくていいこともしなきゃなららいのよね。
再会の喜びもつかの間、昼からレッスンしよう、というマリーサに
「あそこのスーパーで買い物してきて!」とお金を握らされる。
1年間のブランクを感じさせない接し方、なんだか笑える。

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さささーと作ったお昼の料理はいかにもというナポリ料理。
一口食べて、あー、ナポリなんだな、マリーサの料理食べているんだ!という実感が増した。
エスカロール(エンダイブ)をペースト状にしてパスタに絡めるんだけど、イロイロはいっているからすごくパンチがあるのね。
これを食べた瞬間に、何でたったの5日間のナポリ滞在なんてむちゃくちゃなスケジュールを組んでしまったんだろうと大後悔。
やっぱりナポリが一番好きだと再確認。

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毎回恒例の魚屋はしごツアー。
港に横付けした漁船から降ろされたばかりの活きたタコを買ったり、はたまた、美味しいカジキマグロが手に入る店に寄ったり。
夜は夜で夜景のきれいな丘の上にドライブに連れて行ってもらったりと、短い5日間の滞在を惜しんでくれるかのようにマリーサ一家は本当にいろいろしてくれた。

最終日はナポリから電車に乗ってローマに戻り、翌日飛行機にのる予定だったので、マリーサと長女のアマリアが駅まで見送りに着てくれた。
電車に荷物を押し込んでから、いつもの苦手な別れの挨拶。
でも、マリーサは「笑って別れましょうよ!また、すぐあえるんだからね」と、一瞬流れたしんみりした雰囲気を吹き飛ばすように言った。
「そうだよね、また来年会えるよね!」と私も確認するように言ってマリーサと、アマリアと固く抱き合ってから「ローマに着いたら電話するのよ~!」って言うマリーサと元気に別れた。
私はまたナポリに戻ってこれる、確信のようなものがあったのでさみしくはなかった。
事実、ローマについて一息つくと、マリーサに電話をかけ、ぺちゃくちゃしゃべりまくり、また、マリーサも一旦切ったのに、またかけてきて、ああでもない、こうでもないとしゃべる始末。全然、淋しくない。

翌日、イタリアを発つため空港へ行き、搭乗ゲートで飛行機を待っていた。
今回のイタリア滞在はいろんな意味で私の自信になった。いっぱい勉強できたし、満足、思い残すことはない。日本に帰ったらいっぱい料理教室がんばらなくちゃ、みんなが待っていてくれる。それに、私はまたイタリアに戻ってこれる、自信があった。だから淋しくはなかった。
するとマリーサから電話がかかってきた。
「ねえ、昨日の夜、あなたが帰っちゃって私すごくさみしかったんだからね・・・・。ねえ、日本に帰ってからもお互いこうやって電話しあおうね、お願いね」
という、いつになく沈んだ声のマリーサ。
それに私はなんて返事をしたのか、よく覚えていない。絶対電話する、またすぐに戻ってくる、と何回もオウムのように繰り返し言ったのだと思う。努めて明るく、電話越しにマリーサにバーチョをしてから、マリーサの方から惜しむように電話を切った。機会音が電話から聞こえてくると、私はいたたまれなくなって、その場でわーーーっと泣き出してしまった。やっぱり、淋しい。日本とイタリアはやっぱり遠すぎる。マリーサにほんとにすぐあえるんだろうか、なんで今回、もっとマリーサのところにいなかったんだろう、そして、今回であった人々の顔が一人一人うかんできて・・・・・、といろんな思いが次から次にこみ上げてきて、涙がなかなか止まらない。
再会がうれしいぶん、お別れはその倍以上にはやりつらい。
 泣きはらした目で飛行機に乗りこむと、もらいなきしてくれたのか、3ヶ月ちかくまともな雨が降っていないというローマの空から小雨が降り出した。
by buonaforchetta | 2007-10-02 15:23 | 2007年イタリア滞在記
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