菜っ葉喰い

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 ナポリ人の食習慣をさして、ほかの州の人々は「はっぱ食い・菜っ葉食い」とよんでいます。
これはナポリの人々が葉物野菜を好んでたべるから。

イタリアは州ごとに全く違った食文化が根付いており、トスカーナ人は豆をよく食べるから「豆食いトスカーナ」とか、ポレンタを食べるところの人は「ポレンタ食い」とか、〇〇食いと表現することがよくあります。

ナポリはほかに「パスタ食い」とも呼ばれ、乾燥パスタの生産が盛んなことからもそれは納得できる言葉です。

さて、ナポリっ子の葉っぱ食いはただものではありません。
初めてナポリのマリーサ先生のもとを訪ねた時に
「今日はクリスマスの時に食べるごちそうを作ってあげる」
と言われ、ものすごく期待していたら、複数のお肉でとったブロードに、5種類くらいの葉っぱ(エンダイブ・チコリ系の野菜)をこれでもかというくらい入れて作った葉っぱスープでした。
名前はミネストラ・マリタータ。別の名をミネストラ・スポザータ(既婚者のスープ)。
肉からとったスープは言うまでもなくおいしいし、葉っぱもいっぱい食べられてヘルシーな料理でしたが、あまりの地味さにびっくりしたのを思い出します。
クリスマスというとお祭り感覚の我々と違ってあちらでは厳粛な宗教行事の一つでもあるわけだから、お料理もこういった滋養があるけど地味なものがおおいのかもしれません。

さて、話はそれたけど葉っぱ食い。
冬~春にかけて葉っぱ食いは盛りを迎えます。

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まず、絶対はずせないのがフリアリエッリ(ナポリっぽく発音すればフリィアリェッリ)。
西洋菜の花というのかな?プーリアあたりでは「チーマ・ディ・ラーパ」、カラブリアではただ「ラーペ」と呼んでいる野菜。食べた感じ、どれもほぼ同じ味だし、同一の野菜かとおもわれるものの
ナポリ人に言わせると「フリアリエッリはナポリにしかないっ!」とむきになってなっていわれます。
(同様にプーリア・カラブリアのひとたちも、おらほの野菜だべ~と言ってききません。おあいこ)

日本の菜の花より硬くてしっかりしていて、苦味もちょっとつよい。菜の花というようりは油菜に近いかな~。
湯がいてから、アーリオ・オーリオで炒めてサルシッチャと食べるのが定番です。

スーパーでも八百屋でもナポリに行けば置いてある野菜ですが、行商のオジサンがひどいナポリ弁で「今朝、オラがヴェスヴィオの裾野の畑でとってきたばかりだずら~」と一言いえば、ナポリっ子は生唾ゴクリ物らしく
わ~っと群がって買ってゆきます。
「摘みたて」「ヴェスヴィオのふもと」は売れるための必須フレーズ。


そして、もう一つ。スカローラも欠かせません。
英語だとエスカロール。日本語だと「キクジシャ」。
レタスやエンダイブと同じキク科の植物でチコリの一種らしい。


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見た目は巨大レタスですが、そのまま食べると葉っぱは固いし苦味が強いのでこれまた茹でてから使います。一般的な食べ方は、これまたアーリオ・オーリオにいろいろ足して・・・というのが定番。
パイに詰めたり、パスタの具にしても結構イケてます。

最近習ったのでは、丸ごと茹でてからオーブンで焼くお料理。
葉っぱの間にいろいろ詰める作業がきっとたのしいはず。
残念ながら本物のエスカロールはありませんのでレタスで代用しますが、食感や雰囲気は十分出せているはず。
これが7月の前菜です。レタスをこんなにしちゃうなんて・・・・というのを楽しんでくださいね。
 
トップの写真は、臨場感がでるように、ナポリでとったお写真よ。
マリーサのお皿、キッチュな感じがまたかわいい。
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by buonaforchetta | 2009-06-28 14:29 | 料理教室日記
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